いつもそこにあるもの

好きな人たちを好きなように応援していたいと願うただのひねくれオタク。そんな私の主に現場の記録とか彼らに対する思いとか。良い感情も悪い感情も残します。

私がオタクを取り戻した日。

長かった。本当に長かった。

 



私の記憶が正しければ、最初にコロナを意識しながら観劇に行ったのは、1月31日の「天国の本屋」(大阪)だったと思う。

あの時はまだ外国人旅行者が日本にたくさんいて、そこに警戒すべきみたいな状況だったので、大阪行くのちょっと不安だなぁと思って、普段は嫌いだから重度の花粉症でも絶対着けないマスクを着けて行った。

でもあの時は、観劇中は外していたような気がする。

2月は私的には現場が無かったので次は3月。

すっかり「コロナ禍」の状態で、私の最初の現場だった「悪魔の毒毒モンスター」も、その次の「スマホを落としただけなのに」も、ギリギリまで開催されるか危うかった。

私自身も行くか散々悩んだ。

結果開催された為、諦めることをせずに、毒毒モンスター、そしてスマホの観劇の為、2週連続で東京に行った。

SHOCKは3月後半の予定だったので、1度は開催されそうになったけど、結局ギリギリで中止になった。

スマホの東京公演を観終え、帰って来た日に流れたニュースで、東京の感染者数が爆発した。

翌週にもまだスマホ東京が控えており、更に4月は大阪公演も目白押しの月だった。

 

職場でも散々嫌味を言われた。

行くか諦めるか、悩んで悩んで精神的に少しおかしくなった。

しかし結局悩んでいた残りの公演は全て中止になり、緊急事態宣言も発令され、自分では何も出来なくなってしまった。

 

Endless SHOCK 20th Anniversary
悪魔の毒毒モンスター(大阪)
スマホを落としただけなのに(東京後半・大阪)
This is 大奥(全公演)
イケメンヴァンパイア(全公演)

「屋根2020」は、とても観たいと思いつつ、大阪での観劇が続くスケジュールのさなかだったので、日程調整が出来ていないままの状態でコロナ禍に突入してしまい、チケットを持っていなかったのでここではノーカウントにする…けどコロナが無ければなんとか調整して行くつもり満々だった。


全部中止になって、悲しいとか、悔しいとか、腹が立つとか(ウイルスに対して)、大好きな彼らのことがとても心配だとか、なんかもう、色んな感情がぐるぐるぐるぐるして、精神的に本当に不安定になった。

 

「Only 1, Not No.1」が発表されたのは、2月の末近くだった。
私目線では、SHOCKの中止(2月28日)から、エンタメ界への打撃を感じ始めたので、この発表の時は、開催出来るかどうかとか、まだそんなことは考えもしなかった。

チケットの当落の頃には中止の影響も出始めていたけど、6月なんてまだ先なんだから余裕で大丈夫、と思っていた。

状況がどんどん深刻になり、緊急事態宣言が発令されて、だんだん不安になってきた。

いやこれ、仮に6月に劇場開けられたとしても、その前のお稽古が無理じゃない?ってことは開催も無理じゃない??という状態だった。

4月末頃、全公演中止が発表された。

この時点で、チケット持ってたのに行けなかった現場は、20公演を超えた。

もううんざりだった。

 

日々の生活の中で何よりも楽しみで生きる糧だった現場が無い。

実家にも帰れない、美容院にも行けない、友だちにも会えない、好きなケーキ屋さんに行くことすら出来ない。

ストレスの塊だった。

 

私が今住んでいるところはド田舎で、転職の為に来ただけの場所で他には何も無いので、実家も行きつけの美容院も友だちのほとんども好きなケーキ屋さんも全て「遠方」であり「県外」です。

そりゃ「自粛」なので別に行こうと思えば行けたけど、とてもそんな状況ではなかったし、行ける精神状態じゃなかった。

世間からは遅れたものの私の職場も5月から休業になり、ステイホームをする中で、気持ちはどんどん下がり、外に出たいという気持ちが日に日に無くなって行った。

田舎なので感染者も報道上は近隣にはおらず、近所への買い物ぐらいならそんなに神経質になる必要も無かったと思うけど、それすら行けなくなり、本当に最低限で済む努力をするようになった。

 

6月初旬、「日本文学の旅」が発表された。
もう全然楽観的に「わーい!」って思える状態では無かったけど、でもまぁ緊急事態宣言も明けたし、この期間を乗り越えて発表されたわけだし、きっと万全の対策を取って準備をして開催して下さるのだろうから、私も出来る限りの対策をして臨もうと思った。
「現場」に行きたかった。
だからチケットを取った。
感染者数も落ち着いてきているし、これはこのまま行けそうだな、と、6月中は思っていた。


7月に入って状況が変わった。
急激に増加していく感染者数。
本当に悩んだ。
毎日毎日ニュースとにらめっこしながらずっと考えた。
行きたい気持ちは山々だった。
でも、6月くらいの状況ならまだしも、7月のあの状況で、私が東京に行くことを、家族も職場も絶対良い顔はしない。

とは言え職場はまだ休業中だったので、週に1~2回呼び出しはあるものの、既に観劇予定日は会社には行けませんと言ってあったし(理由は言ってない)、家族も離れて暮らしているので、誰にも知られず行くことは簡単だった。

相当悩んだ。

でも、日が近づくにつれ、どうしても行きたいという気持ちが徐々に薄れて行った。

理由の1つは、私自身が元々外に出ることに対して拒否反応を示すようになっていたこと。

一時期に比べればだいぶマシにはなっていたけど、仕事がほとんど無くて否応なしに出なければならない日が少ない分、あまり気持ちの復活はしていなかった。

もう1つは、劇場クラスターのニュースが世間を騒がせたこと。

私が行こうとしている舞台の、キャストさんスタッフさん、みんなが全力で対策して下さっていたことはわかっていた。

大手町ホールは、毒毒モンスターの時も、あの頃なんてまだほんとみんな全てが手探りだった状態で、最大限の対策をして下さった劇場だ。

公式ツイッターを見ていても、細心の注意を払って公演をしていることがよくわかった。

ただ、仮に劇場内が安全でも、私にとっては遠征なので、往復の道中も長いし、ホテルにも泊まるし、食事も取らなければならない。

もちろん各施設やお店もがんばって対策して下さっていることはわかっているけれども、結局、本当に絶対に安全な場所なんかどこにもない。

私がどこかで感染してしまって、それが観劇後、帰ってからわかったとして、劇場内で感染したんじゃないとしても、感染経路が不明だったら、公演のタイトルや、出演者の名前がニュースに出てしまうかも知れない。

そうなれば、私が大好きな人や、共演者の方や、スタッフさんたちに大迷惑をかけることになる。

想像しただけでものすごい恐怖だった。

私が都内在住なら、もしくは地方公演があり会場が関西だったなら、私は行ったのかも知れない。

でも、遠征する気持ちにはなれなくなってしまった。

併せて、そもそもいい年をして、職場や家族に言えないような行動をするべきではないな、という結論に至り、結局ギリギリまで悩んで断念することに決めた。

 

もう中止は散々経験したけど、開催されている公演を自ら諦めたのはあの時が初めてだった。

A.B.C-Zのファンになってから、メンバー出演の舞台に行かないのも初めてだった。

もう、本当に本当にうんざりだった。

ただ、結果的に、悲しくてたまらなかったけど、後悔はしておらず、私は大人として正しい判断をしたとは思っている。

無事に幕が下りて本当に良かったし、千穐楽から2週間、何も無かったとの報告が出た時はとても嬉しかった。

 

 

そんな私にとっての「コロナ禍」

オタクにしか理解されないとは思うけど、地獄だった。

エンタメ業界にとってとてもしんどい状況の中、推したちはきっと自分たちが一番辛いにも関わらず、今できる何かを発信しようと、とてもがんばってくれていた。

きっと自分たちが「発信したい」という気持ちもあっただろうし、ファンの気持ちに寄り添おうとしてくれる気持ちもあったと思う。

配信、Webの更新、更にテレビ・ラジオ等々も。

それも、本当にとても嬉しかったし幸せもたくさんもらった。

 

でも、これまで年間数えきれないほどの現場があったオタクにとって、現場が無い日々というのはとても辛かったし悲しかった。

生きる糧が無かった。

モチベーションが基本低いのが常になってしまっていたので、色々考えなくて良いことを考えてしまったりして、ファンとして生きて行く自信を無くす出来事が何度もあった。

キツい日々だった。

正常にコンサートや舞台を観に行けていた時の事を思い出すたびに、もうこの先二度と、あんな日々は戻って来ないんじゃないかと思って落ち込んだりもした。

 

 

 

 

そんな私が、とうとう、9月16日を迎えた。

 

とっても楽しくて幸せな1日だった。

 

この日梅田へ出向いた私は、まず、「オレたち応援屋!!」のムビチケを買いに行った。

ネットでも買えたけど特典付かないからとりあえず保留にしてたので、まだ買えていなかった。

保留にしていたとはいえ、結構発売から日数も経ってしまっていたので、特典のステッカーは半ば諦めていたけれど、ちゃんと貰えてとても嬉しかった。

 

そしてタワレコへ。

この日はA.B.C-Zの新アルバム「CONTINUE?」の発売日。

フラゲは既にしていたけれど、マルビル店さんで、いつしか恒例にして下さっている特大パネルの展示があるということで、それを見に。

3形態とも在庫があったので追加購入。

絶対行けるという保証は無かったので予約してなかったけど、キーホルダーも貰えました。

店頭のポップ等も堪能させて頂き、大好きなタワーmini汐留店さんの「えびたわ」も貰いました。

 

そしてジャニショへ。

梅田に行くのがCD発売日ということで、発売日にはきっとオフショが出るだろうと期待して、1週間前の入店予約スタートのタイミングで予約していました。

ジャニショがオンライン販売を始めて結構経ちます。

送料はかかるけど、往復の交通費に比べたら格段に安いし(実際ジャニショの為だけに出かけることはほぼ無いので単純な比較は出来ないけど)、レジで長時間並ばなくて良いし、何よりオンラインだとクレカが使えるのは私的に最大級にメリットではあるんだけど(ポイント貯めたいから5,000円以上の買い物には極力クレカを使いたい貧乏性)、

どうしても、ジャニショに関しては、あの、掲示されている写真を見ながら選んで紙に記入して、レジでスタッフさんの神業的手さばきを見て、っていうのが何故かとても好きで、オンラインでしか買えない物を除いてはコロナになる前から頑なにオンライン全然使ってないんだけど、

今回も無事に店頭で、しかも発売日に写真買えたのがとても嬉しかったです。

本当に対策きっちりされていて、さすがジャニーズと思いました。

1コマに入れるの15人くらいしかいないみたいだったし、入場列も徹底したソーシャルディスタンス、アルコール消毒と検温もしっかりしてもらって、中はとっても空いてるし、レジもすぐ終わるし、非常に快適でした。

ただ、いつもあんなにたくさんお客さんがいて、レジも長蛇の列で、っていう状況を考えると、あんなに少ないお客さんで運営していけるのかな…ってちょっと不安になったよね。

まぁその分オンラインの売り上げは上がっているんだと思いますけど。

映画館では応援屋のフライヤーはもう無いと言われ、ステッカー貰えただけで良しとするか、と思って諦めていたらまさかのジャニショにあって、それもテンション上がりました。想定してなかった。

 

そして、最後に、「Endless SHOCK -Eternal-」観劇。

そうです。現場です。半年ぶりの現場です。


昼間に先に劇場と看板見に行ったんだけど、それ見ただけで、まだ開演まで何時間もあるというのに泣く始末。笑

観劇中も、内容に関係あろうがなかろうが泣きっぱなしでした。

大好きな人たちがステージに立ってあんなに楽しそうにパフォーマンスしている、と思ったら、それだけでとてもとても幸せでした。

(SHOCKの感想はまた追々別で書きます)

 

 

都会に住んでいる人からすれば、映画館にチケット買いに行くとか、リリースがあったらCDショップ回るとか、ジャニショに行くとか、それぞれをやりたい時に気軽にやれる事なんだと思う。(このコロナ禍での現場が無い辛さはみんな同じだけど)

実際私も今の場所に移住してくる前はそうだった。

ただ、コロナ云々以前に都会に出るハードルが高めの今の私にとって、現場がある+それに合わせて色々なオタク活動を楽しむ、と言うのは、とても大切な非日常だった。

そのハードルがコロナで更に高く高くなってしまっていた。

 

まぁ厳密に言うとこの半年の間、私にとっての大事なリリースは無かったので、行きたいのに大手のCDショップに行けないとか、ジャニショに行けないってことがあったわけでは無いんだけど、

なんか、全て絶たれてしまったこの絶望の半年を経て、9月16日、前と全く同じとはいかなくても、とても近い、私の「オタクとしての1日」を過ごせたことは、本当に本当にとても大きくて嬉しくて楽しくて幸せだった。

 

本当に暗くて辛くて悲しい半年間だった。

だからこそ、昨日、何か1つ、取り戻せた気がした。

 

昨日、観劇を終え、帰りの車を運転しながら1日の出来事を噛み締めて、また少し泣いた。

なんかもう、こんな日は戻ってこないんじゃないかって、どこかで思っていたから。

 

 

 

 

推しが健康でいること、私が健康でいること、エンターテインメントを愛し、エンターテインメントに生きる全ての人たちが必死に戦ってくれていること、それがこんなにありがたいことだなんて、この半年を経験する前は、わかってはいるけど、それをどこか当たり前に感じていたのかも知れない。

 

他人には理解されなくても、やっぱり私はオタクだし、オタクでいられることが幸せだ。

だからそれを取り戻せた昨日は私にとってとても大切だったし、だから今日も私はオタクとして生きていけるんだと思います。

 

 

 

 

長くなってしまったけど、昨日が本当に幸せだったので、その気持ちと、この半年間何があったのかを、これを機に残しておこうと思いました。

あんなに暗くて悲しい日々が、もう戻って来ることがありませんように。