観劇記録(2020年1~3月)
今年、現在こんな状況(主にコロナ関連)ですが、考えてみれば既に観劇結構行ってます。
1月に3作品、3月に2作品。
その感想を、軽くまとめておこうかと思います。
毎回1作品に1記事、長々と書いていたくせにひとまとめにしようとしている理由は、
・時間が経ちすぎて記憶が薄れつつある部分が多々ある
・時間が経ちすぎて今さら感が強すぎる
なんですけど。
じゃあなんでこんなに時間が経ったかというと、
冬という、仕事が非常に忙しい季節に休みを全て使って観劇しまくり(1月)→その後の忙しい仕事もこなし(2月)→まだ忙しい中を次の観劇ラッシュが来る(3月)
…という予定でまぁどっちにしても1月の感想書くには時間がかかるつもりでいたんだけど、そこでこのコロナ問題が来て、行けるかどうかヤキモキしたり、中止になってしまった舞台続出で、メンタルが大幅にやられ、仕事の繁忙期は乗り切ったものの、1月の無事観劇出来た作品ですら思い出すのが辛いというか、正常に観劇出来ていた時の事を思うのが辛くて、ブログ書く時間は山ほどあったけど手が付けられなかった、というのが理由です。
数カ月やら半年やら経っても延々語ることなんてこのブログでは何度もあったけど、今回はちょっとね…観劇当時とテンションが違い過ぎてそれが難しいので。
となれば、書かない選択肢もあるけど、やっぱり自分の記録として残しておきたいし。
というような感じですね。
いや別に誰も待ってないからダラダラ理由を述べる必要は無いのだけど、たまたまこの記事に行きついた人が、「こいつ今頃何の話書いてんだ」って思ったら困るので一応説明をね。
そんなわけで、1つ1つは短めに、サクっと書いていきたいと思います。
罪のない嘘~毎日がエイプリルフール~
2020年の私の観劇ライフの幕開けはこの作品でした。
率直に言うと、全然刺さらない作品でした…。
三谷幸喜作品、出演者も錚々たるメンバーということで、かなり期待して行ったんですけどね。
初日、まさかの最前だったけど(席番C列だったから、2列目だと思って行ったんだよ。ビックリしたよね)、なんかもう、あまりにもポカーンとしちゃったし、周りもポカーンとしてるの伝わってきたし(初日と2日目、1幕終わりに全く拍手が起こらなかったのは後から思えば衝撃だけど私自身も拍手するの忘れるほどポカンとした)、正直、席運使うのここじゃねぇわ、と思った。笑
なんか、まず全体に対してザックリ言うと、もっとテンポ感があれば面白かったのになぁ、と思う…。
部分部分で、もっと畳みかけるように進めば笑えるのに!って言うところがあったよね。
ある日の幕間にロビーで、ご年配の方々が、「以前の物と結構変わったよね」と、あまり好意的とは思えないニュアンスでお話をしてらしたのが聞こえてきたことがありました(もしかしたら関係者の方々かも?と思うような雰囲気でした)
まぁ20年以上前に書かれた作品で、何度目かの再演ですが、元々どうだったのか私は知らないし、どちらにしても私が思ったような笑いの作品では無いのかも知れないけど…何かしらの変化はあったんだと思います。
まぁ要はここで気になってるのは、元がどんな作品で、演出家がどの部分にどの程度手を加えたのか、ってことですよね。まぁ知りようがないんですけど。笑
あとねぇ、そもそもで悪いけど、タイトルが「罪のない嘘」なわけじゃないですか。
確かに劇中にはとんでもない数の嘘が出てくるわけですけど。
「罪のない」嘘なんか、1個も無くなかった!?
いやどの嘘も罪ありすぎやろ!って感じだった。
あと数少ない嘘ついてないキャラだったけど、ちよみがヒステリー過ぎてめっちゃイライラした…。
笑いの話に戻るけど、唯一、私の好きな笑いの作り方の部分だったのが、堤くんとまち子さんが、鏑木の紹介の妙によりお互いを外国人と勘違いしたままその話が何故か噛み合う、という部分だったんだけど、
あぁいう、要は観客側だけがズレてるのわかってて、何故か舞台上ではうまくハマっていく、みたいな軽ーく頭を使う笑いが大好きだから、ああいう会話劇のコメディならそんな部分がもっとあっても良かったのにな~って思ったんですよね。
そういう意味では、ビビアンの、日本のことわざ連発は、同じような笑いというか、本人はそんなつもりで言ってないのに時々ことわざの意味がピタっとハマってしまう、っていうのが数少ないとても笑えた部分だったんだけど、
まさかのビビアンが日本人という最後のカミングアウトにより、全てかき消されてしまったのも残念だった。
いや、最後の大オチとして、「お前も嘘なんかーい!」っていう軽い視点ではアリだろうけど、そうなると、意味わからず言ってるはずのことわざがその場その場にハマっちゃって面白い、って思ったことが全部、意味わかって言ってたってことになり、じゃあ別に何も面白くないんやん、って興ざめしてしまった、っていうね。
細かいセリフまで覚えてないので文章で説明するの難しいんだけど。
そんなこんなで、観劇日のコンディションが悪い時には、罪ありまくりな嘘を重ねてゆく出演者たちに苛立ちさえ覚えるくらいの作品でした。
正直もっと高度な会話劇に笑わせてもらえると思ってたんだよね~。
辰巳くんはね、良かったですよ。
堤くんが最後にカミングアウトした嘘も私は許せないというか、まぁ許せないとまでは言わないけど、父親が大学教授なのが嘘だったのなら、途中で堤家と鏑木家の顔合わせの日を変えようと提案した鏑木に対してちよみが「お父さん大学教授で忙しい」だとか「翌日から海外に行っちゃう」だとかいうのも堤くんがちよみについていた嘘だったことになって、そこが嘘なら顔合わせの日変えてあげれば良かったし、外で会うんでも全然良かったし、となると、そもそもその嘘が無ければこの嘘の上塗りの連続は起こらず済んだわけで、やっぱり堤くんも結構罪の「ある」嘘ついてるよな~って思うので(っていうか書いてて今さら気づいたけど全ての元凶、堤くんじゃね?笑)、堤くんはあまり好きではないのだけど笑、
辰巳くんは良かったです。
もうとりあえずイケメンで顔ちっちゃくてスタイル良くてスーツ超似合っててカッコ良くて可愛かった。
この舞台の観劇時間は私にとってはただただ最高な辰巳くんを愛でるための時間だった。笑
キャラクターは置いといて、見た感じとお芝居は超好青年で大好きでした。
ただ、辰巳くんが出るからって4回チケット取ったけど4回は多かったなって思ってる。
初日・2日目と観て、1週間後に行った時、ちょっと良くなってたんですよ。
テンポ感も上がってて。
1幕終わりも(観客が慣れて来たのもあったのだろうけど)拍手起きるようになってたし。
そこから恐らく更に良くなったから、東京千穐楽でやっとスタオベ起こったんじゃないかな~と私はその時思っていて(千穐楽は行ってない)、
更に良くなっているのなら期待だな!と思って行った大阪初日でビックリしたよね。
逆戻りしてるやん!私が東京の中日で観た時の方が良かったやん!っていう。
3回目観劇で終わっておくべきでした。
日が空くとダメだったんですかね…。結局その後大阪数公演、更に日がかなり空いての広島や福岡公演がどうだったのか、もうレポも見てないんで知らないんですけどね。
そんな2020年の幕開け。
まぁ、コメディに限らず、こういうのは好き嫌いだから。
私が1mmも笑えない部分でも周りからは大爆笑が起きてることもたくさんあったのでね。(B作さんとあめくさんの暴力的な絡みの部分とか。あぁいう笑いの作り方が私は嫌い)
辰巳くんが三谷さんに対して名前がちょっとでも売れたならそれだけで私の中でもこの作品の存在意義はあったかなって思ってる!笑
★私的観劇公演★
2020年1月9日18:30・10日18:30・16日14:00 ヒューリックホール東京
2020年1月23日18:30 COOL JAPAN PARK OSAKA WWホール
阿呆浪士
いやこれ、打って変わって。刺さりまくった作品でした。
とっつーと福ちゃんの共演ということで、楽しみが2倍!最高!とは思いつつも、作品に対してそこまでめちゃくちゃ期待値高く行ったわけでもなかったから、ビックリしたよね。
純粋にね、とにかく面白かった!!!
コメディで、笑えるとこいっぱいあって、でもただのコメディじゃなくて、「阿呆」なんだけど、「阿呆」に生きることが粋だったり、かっこ良かったり、時に悲しかったり、そういう人々の悲喜こもごもが詰まってて、とても楽しめました。
本人たちも言う通り、「新春」にふさわしい景気の良い作品だった。
同じ言葉を使うとさっきの作品と比べる形になってしまうので本当は避けたいけど他に思いつかないので諦めて使うが、「テンポ感」が素晴らしかった。
コメディ初挑戦のとっつー、私は正直心配してた。
とっつーの心配をしてたのではなく、私が楽しめるか、の心配をね…。
とっつーのお芝居はね、私の中で当たり外れが激しいというか、好きだなーって思える時もあれば、全く受け入れられない時もあって…。
コメディとなると、受け入れられない側のお芝居になりそうな気がしていたんです…。
ところが!めちゃくちゃ良かった!
小気味いい江戸っ子口調、軽快な動き、度重なる下ネタ(笑)、全部全然大丈夫で。
とっつー、上手いじゃん!と。
ここしばらく、テンション高いお芝居になると声の裏返りが酷くなるのも観ててしんどかったけど、それも今回はそんなに気にならなかった。
(ただし、同じ日の公演は昼公演より夜公演の時の方がやっぱり声にダメージ出てる感じはしたので、ずっと戦い続けてるんだろうなぁとは思った)
お顔のラインもシャープで、体型も華奢だったし、魚屋八にピッタリでした。
八ってさ、不思議だよね。
ただ酒と女にだらしなくて、吉原で良い思いをしたいが為、意中の女性の気を引きたいが為だけに赤穂浪士だと嘘をついて、後には引けなくなってしまって、
討ち入りやめようと思ったけど、大石とのやり取りで、侍への怒りに滾り、討ち入ることにする。
吉良邸でやられるか、そうでなくても切腹か縛り首か、何がどうなっても死しか待っていないのに。
スカピンは、わかるんです。元々、侍だから。
浅野の殿に忠義は無くとも、侍として生き、侍として散っていきたいという気持ち。
だけど、八は町人だからね。
まぁそこが、「阿呆」なんだろうけど。
結局本当に切腹までしちゃうんだからね…。
しかも、討ち入り前は、何度もやめようとしたりグズグズ言ったりしてたのに、討ち入り後は1度も後悔の念を口にしたりすることなく、清々しく散っていった。
なんとも不思議で面白い役でした。
本当にただの阿呆なんだけど、それが良いというか、一見理解しがたい決断の数々なんだけど、なぜか妙に納得してしまうところが、八の魅力なのかなぁと思いました。
そして福ちゃん!
福ちゃんは、コメディに関してはめちゃくちゃイメージ湧くので(笑)、普通にただ楽しみにしてただけだったんだけど、
会見で、「真面目な役」っていうから、逆に福ちゃんあんまりコメディシーン無い感じ!?って思ったのよね。
そして観劇した結果、真面目とコメディのバランスが抜群に良かった!
どっちもちゃんとあって、その緩急のつけ方が、さすが福ちゃんでした!めちゃくちゃ上手かった!
そんで背高いからさー。和服がめちゃくちゃカッコよくて!
とっつー演じる八が飄々としてるからその対比がヤバくて!
めちゃくちゃキュンキュンしてました。
超好きだった。
そして田中貞四郎!
好きでした。惚れました。とても良い役でした。
しかし、本当に悲しい役だった。
捉え方次第で色んな見方ある気がするけど、私は本当に悲しかった。
そしてこのお話は、貞四郎目線で言うと超絶バッドエンドだったと思ってる。
江戸にいる浪士たちの中で唯一討ち入りの気持ちが揺らがず、血判状を返さなかった貞四郎さん。
でもある日、偶然足を踏み入れた吉原で、喜多川と恋に落ちる。
そこから運命は大きく変わる。
葛藤するけれども、信頼する大石にきちんと背中を押してもらい、「生きる」決意をする。
しかし結局、本来の仲間どころか縁もゆかりも無い人々までが討ち入りをしてしまう。
もちろん彼自身が選択した自業自得な部分もあるけれども、あまりにも悲しくてあまりにも切なかった。
特に、結局自分ではなく喜多川の手で死ぬ事になってしまったことと、その喜多川が動転して走り去ってしまったことが辛すぎた。
討ち入りしなかったのは貞四郎さんが悪いけど、後悔の念に苛まれ、せめてこの手で死なせてくれという気持ちは、侍ならそうなのだろうなぁと思う。
でもそれを怒って止める喜多川もわかる。「一緒に正直を貫き通す」って約束したから。
まぁでも貞四郎さんにとっての「正直」は、結局「侍として生きる」方だったんだろうけど。
というか、結局喜多川にとって貞四郎さんって何だったんだろう…なんか、わかんないんだけど、違うかも知れないしそう思いたくないんだけど、結局吉原を脱する為の手段でしか無かったのかなぁ…とか私は思ってしまって、悲しかった。
あの、最後走り去ってしまった瞬間に思っちゃったんだよね。
でもそれなら吉原を出た後はもう一緒に暮らす必要も無いし、切腹を止める必要も無いもんね…。
もう全てのことが仕方ないとして、貞四郎さんを刺してしまった後も、せめてそばにいて看取ってさえくれれば、ここまで悲しくなかったかも知れないのに…。
まぁあくまでも「誤って」刺してしまったのだから、気が動転する気持ちもわかるし、そういう意味では喜多川も可哀想っていう見方もあるのかも知れないなぁ…。
一緒に生きる約束したのに、討入りしなかったことを悔いて自決しようとする貞四郎さんの判断も、喜多川目線で見れば可哀想だし…。
まぁなんせ、福ちゃんめちゃくちゃカッコよくてキュンキュンしてたせいもあって、基本的にずっと貞四郎さんに感情移入して観てたので…泉岳寺で茶屋のおばあさんと話をするシーンからラストまで、毎回泣きっぱなしでした。
あの泉岳寺のシーン、貞四郎さんはずっと背を向けていて、セリフも奈々福さんなので全く喋らないんだけど、あの背中のお芝居はね…素晴らしかった。本当泣きました。
侍として貫き通すことも出来ず、愛する人と添い遂げることも出来ず、自らの手で潔く散ることも叶わず、愛した人に看取ってももらえなかった。
いやもう、こんな悲しい話あります…?
しかし、悲しすぎるんだけど、そんな貞四郎さんが愛しくて愛しくて、完全に魅了されてしまい、そしてそれを演じる福ちゃんに魅了されてしまい、すでに超めちゃくちゃなスケジュールな1月だったのに、チケット増やして観に行ってしまうくらいには、私の心にハマっていました。
ちなにみ後から雑誌で、福ちゃんも舞台袖で結構泣いてたというのを読んでまた泣きましたよね。
だって、確かに他にも泣けるシーンいっぱいあって、八が、血判状を取り返しに来た大石内蔵助に喰ってかかるシーンとか、討入りで武士として生まれた事に対する想いを炸裂させるスカピンとか、討入りを果たした後のすずとか、後半泣きっぱなしでした。
でも全体通せば本当に笑えるシーンいっぱいあって、まさに「笑って泣ける」作品で、とても景気が良かったのです。
役者さんも皆さん本当に素敵で、安心して観ていられる作品でした。
スカピン役の宮崎秋人さんはカッコ良かったし、大石内蔵助役の小倉久寛さんは可愛かったし(笑)、すず役の伊藤純奈ちゃんは、後からちゃんとキャスト表見るまでまさかアイドルだなんて思いもしなかったくらい迫力のあるお芝居で素晴らしかったです。
そして玉川奈々福さんも!ご本人のセリフ通り、観客と、ステージの世界の中を繋ぐ役割を担ってらしたわけですが、とても良い声と、聞き取りやすくわかりやすい口上で、楽しい気持ちになりながらスッと世界観に入って行けて、とても素敵でした。
あと!ビックリしたのが!
お熊役の新良エツ子さん、お芝居の時の声も良いし、お歌めちゃくちゃ素敵だな~と思ってて、で、吉原の冒頭のシーンで、新良さん中心に花魁たちが歌い踊るところ、音楽含め急になんだかそこだけ、あの名作「SHOWBOY」を観てるみたいな気持ちになってゾワゾワ~!!ってしたんだけどね。
私、SHOWBOYのディーバの歌声が新良さんだったことも、阿呆浪士とSHOWBOYの音楽が同じ方(和田俊輔さん)だってことも、観終わってから知ったんだよね。
(まぁ公演前に発売されてた雑誌の、福ちゃんととっつーの対談で福ちゃん言ってたんだけど、それ読んだのは6月だから…あ、ここにちゃんと書いてあったのかって思った笑)
もうそれは本当、知った時鳥肌立った。
別に曲が一緒とかじゃ全然無いの。無いんだけど、息づく世界観が同じというか…ね。
驚きました。
言いたかったことはこのくらいかなぁ…。
とにかく本当に素敵な作品で、阿呆に生きる男たちが本当に阿呆でカッコ良くて、あんなめちゃくちゃスケジュールの時期で無ければもっと増やしたかったし、大阪も行きたかったし、ぜひまた観たいです。
終わった後だいぶ阿呆浪士ロス、貞四郎さんロスだったからね…。
★私的観劇公演★
2020年1月15日13:00・18:30・22日18:30 新国立劇場中劇場
天国の本屋
河合くん主演ミュージカル!
いやー!ミュージカルでしたね!笑
お歌いっぱいあって、どの曲もとても素敵でした。
特に「翼が欲しい」と「ありがとう」が好きだったなー。
そして、河合くんのビジュアルが良かった!髪型サラサラでイケメン!目に前髪かかって邪魔そうだったけど。笑
もう本当に、めちゃくちゃ歌う!河合くんの歌声やっぱり大好きだな〜って思いました。
でもコンサートとか、A.B.C-Zとして歌う時と違った発声なので、コイベビがよぎるよぎる…。
何歌っててもハシかキクがよぎってました。
ちなみに、原作未読(映画も見てない)で行きました。
もう前に痛い目見てから原作摂取してから観劇するのやめるようにしてるんだけど、読んでから行った方が良かったのかなぁ…ってちょっと思う部分もあった。
結局色々あって未だに読めてないので、読めば解決する話なのかわからないんだけど。
天国についての色んな設定(寿命の話とか)は面白いな~と思ったし、読み聞かせのシーンがとても良かったです。
「泣いた赤鬼」も「ヘンゼルとグレーテル」もすごい面白かったし、「泣いた赤鬼」は私も泣いた~。
飛び出す絵本みたいでとっても楽しくてワクワクする演出方法だったな~と思います。
そして、ストーリーも、さとしも成長したし、ハッピーエンドだったし、良かったんですけど…気になる事もちょこちょこあって…。
まず、ユイの心の移り変わりが非常にわかりにくかった…。
前半つんけんしてるのも別に良いし、さとしや、周りとなれ合いたくない気持ちとか、その辺はとってもよく分かった。
そしてそこからさとしに少しずつ心を開いて…というストーリーなんだけど、そこがね。
急にお茶しに行ったの何でなの??何でそんなに急に全部過去のこと話すの?
直前までめちゃくちゃ怒ってませんでした??っていう。
そういうストーリー展開なことは良いんです。ただ、もうちょっと、ユイ目線の、さとしに惹かれていく過程を丁寧に描いて欲しかったな…と思いました。
あと、読み聞かせも、ナルニア国だけは…私がナルニア国知らないから悪いのか?
ユイの心に引っかかった物語をさとしが引き出したってことが最低限わかれば楽しめる要素だったのかも知れないけど、読み聞かせの周りで再現する人たちの迫力があまりにも凄すぎて、ナルニア国知らない私には、突如置いていかれたような、放り出されたような感があった。
しかもナルニア国物語、終盤の話だから、余計にさっぱり意味がわかんなくて…登場人物もわかんないし、真のナルニアがどうとか夢とか幻とか、え?え?え?ってなるっていう。笑
言ってくれればがんばってナルニア国物語読んでから行ったのに…(そんな長編読んで行けたかわからないけど)
いやまぁナルニア国のストーリーが重要なんじゃないことはわかるよ…でもあの迫力で来られたら…正直ヒいてしまって、そこまで入り込んでいた私の心もスッと一歩引いてしまって、そこからラストまで、純粋に最後まで楽しみ切れなかった感ある。
そして、さとしが、ナルニア国の本を持ってきた少年(ユイの弟だったのよね?)に会ったことがある気がしたのも、物語に惹かれる気がしたのも結局なぜなのかよくわからない…運命だから?
そんなモヤモヤが急にラスト近くなって押し寄せてきた為、感動し切れず終わってしまった作品でした。不完全燃焼な気分。
まぁでも、河合くんのお顔がイキイキしてたし、歌声いっぱい堪能出来たのでとっても幸せではありました。
そろそろ、アドリブ全く効かないようなガッチガチにシリアスなお芝居も観たいですね(つまりコイベビ再々演待ってます)
★私的観劇公演★
2020年1月22日13:00 よみうり大手町ホール
2020年1月31日19:00 サンケイホールブリーゼ
悪魔の毒毒モンスター
多分今回の記事の中でこの作品が一番大した感想が書けない。笑
福ちゃん単独主演の作品を観るのは初めてだし、ミュージカルということで、とても楽しみにしていた反面、作品的にあまり自分の好みでは無さそうだな~とは、行く前から思ってました。
苦手そうだなぁ…と…。
これも事前に映画を観ておく選択肢もあったけれど、正直全然観たいと思える映画じゃなさそうだったのでやめました。
結果、観ておけば良かったのか観なくて良かったのかすらよくわかりません。笑
いや、ね。
何か否定したいとかそういうんじゃないし、何かが悪かったとか酷かったとか、そういうんでも全然無い。
ただ、観ていてつくづく、「あぁ、私って日本人だなぁ」ってずっと思っていました。笑
元がアメリカの「B級ホラーコメディ映画」ということで、そういう類の物を他の作品でも観た事があるかと言われると全く無いのだけど、
今回の舞台を観ていて、何となく、あー、アメリカのコメディ映画のイメージだなぁと思いました。
それを結構そのままのテンションで持ってきているのかなぁ、と。(映画観てないから知らないけど)
まぁまぁ激しすぎたり毒々しい(タイトルとかけたいわけではない)ジョークというかギャグだったり、下ネタだったり、そういうのの連発で、全くテンションについていけず、ポカーンとしたまま始まり、そのまま終わりました。笑
ただ、思った以上にそんなテンションだったので唖然としてしまって、ついていけないまま終わってしまったので、よし、もう把握したのだから次はちゃんと受け入れて観るぞ!と思っていたのに、2回目・3回目と行くはずだった大阪公演が中止になってしまってその機会が奪われてしまいました。
つまり、別に嫌いな作品だったわけでも何でも無く、理解するチャンスを失ってしまったままなのです。
こんな悲しいこと無い。
もっとちゃんと観たかった。それだけです。
私もリベンジしたいし、キャストさんスタッフさんたちにも、完走するチャンスが、訪れてくれれば良いなぁと思います。
結果、今のところ私の毒毒モンスターの思い出は、「あー、福ちゃんの歌声ほんとに好きだなー」ってひしひしと感じたってことだけです。笑
★私的観劇公演★
2020年3月18日18:30 よみうり大手町ホール
スマホを落としただけなのに
実はこの作品の事を思い出すのが一番辛い。
今でも思い返すと涙が出てくる。
発表された時、来た!!!!って思いました。
そう!こういうのを待っていた!
こういう作品での、辰巳くんのお芝居が観てみたかったんです!
シリアスな辰巳くんの役をずっと求めていたんです!
だから本当に嬉しかった。
作品も、私なぜか1作目の映画が公開されてる時に映画館に観に行ってるんですよね。
別にこれと言って特に贔屓の出演者さんがいるわけでもなく、原作を知ってるわけでもなかったけど、なんとなーく、面白そうだなーと思って観に行ったんです。確か。
ただ、映画観た結果、ストーリーは面白かったんだけど、結構エグいというかグロいというか…なシーンもあったので、テレビとかで放送されても2回目は無いな、って思って私の中で完結してたんだけど…。
きっと1年半前の私が何の理由も無いのにこの映画をチョイスしたのは、この舞台の為だったんだ!運命!!(お気楽オタク)
というわけで、内容もわかってるので、あぁいう作品を辰巳くんがやるのか…!と思うとワクワクしてたまりませんでした。
ちなみに結局映画のテレビ放送も見たし、2作目も映画館に観に行きました。もうこれはご縁だから。笑
そして開幕直前のラインライブにゲスト出演して下さったよっちゃん(山田良明さん)から突然の「加賀谷はアスペルガー」という衝撃のネタバレがあり。
マジかよ…余計に辰巳くんの芝居に対する期待が高まるじゃないか…とワクワクはもはや止まりませんでした。
確かに映画の加賀谷も、アスペルガーとまでは言わないけど、ちょっと何か抱えてる感あったもんね。
(ちなみに日常でアスペルガーという言葉を使い慣れて無さ過ぎて、思い出そうとするたびにドッペルゲンガーが出て来て困るという余談。笑)
そんなわけで、もう期待値MAXで観劇に行ったんですけど。
行く前からこんな高い期待値なことなかなか無いんですけど。
それを……遥かに超えてくる作品でした。
なんか…感動しました。衝撃作。
辰巳くんもさることながら、「辰巳雄大×浜中文一」っていうのが、言葉見つからないけど、本当にもう、ヤバくて。
2時間ちょっと?ゾクゾクしっぱなしだった。
終わっても止まらなかった。
ほぼ真っ白なセットの中で繰り広げられる言葉の応酬。
ハチバン(浜中文ちゃん)の不気味なほどに飄々とした様子。
そして、加賀谷(辰巳くん)の、目。
目が、ね。ずっと目線の定まってないような、いや、一点集中してるような、あの、不思議な目。
その目に私は夢中でした。
観た事のない辰巳くんがいる。私が知らなかった辰巳くんがいる。
でも、とても会ってみたかった辰巳くんが、そこにいる。
加賀谷もハチバンも、それぞれが乗り移っていてとても怖かった。
そして、全キャストさんで作られるテンポ感。(出た)
いや、さっきまで使っていたコメディでのテンポ感とは全然意味が違って、押し寄せるというか、畳みかける展開の数々に、ずっと興奮していました。
特にラストシーンはね。凄かったよね。
あれ、ややこしい言葉も多いし、アルファベットの羅列とか、すごい難しいけど、浜中文ちゃん始め、辰巳くんも原田さんも、ちょっとでも噛んだらあの緊迫感は一気にダメになってしまうのに、すごい迫力でした。
セリフ噛まないことを褒めるなんて役者さんたちに対して非常に失礼だとは思うんだけど、あのラストシーンの押し寄せてくる感じは、本当に鳥肌ものでした。
そして私は、1日に昼・夜と2公演観たわけなんですが、初回はもう圧倒されるがまま、ただ興奮して観ていて、
2回目で少しずつ細かいことに気づいて、その中でもたまらなかったのが、そのMacの説明シーンで、ハチバンがアルファベット羅列してる時点で既に謎に気づいた加賀谷のお芝居で、もうほんとに背筋がゾクゾクゾク~!ってして、ね。
あぁこれは、もっともっと細かく観なければならない!と思って、帰って。
翌週も東京に行く予定でした。大阪も行く予定でした。
開幕する前から、絶対観たかった辰巳くんが観れる自信があったから、チケットは迷わず取ってありました。
私が初回観劇を終えて東京から帰った日、東京の感染者数が爆発しました。
嫌な予感がしました。
その週の週末公演が中止になりました。
そして、東京全公演中止が決定しました。
泣きました。
勿論、もっと何度も観たかった舞台が観られなくなったことがとても悲しかった。
けど、それよりも。
あの世界で生きていた辰巳くんを観てしまったから。全キャストさんたちを観てしまったから。
まだ感染拡大が叫ばれ始めたばかりで、恐らく手探り状態だった中、必死に対応して下さっていたスタッフさんたちを見てしまったから。
あの作品が、完走出来なくなってしまったことがとてもとても悔しかった。
3月16日。開幕前、稽古最終日の辰巳くんのあゆふぉゆ。
「座頭」という、「枷」と呼べるまでの重圧を背負ってあの舞台に挑んだ辰巳くん。
悔しかったです。今でもあの舞台の空気感を思い出すと悔しくて涙が出てきます。
ご本人たちは、私が想像出来る範囲なんて十分飛び越えるぐらい悔しかっただろうと思うけど。
大阪公演の中止は、悲しかったけど、仕方ないと思いました。(勿論東京も仕方ないのだけど)
緊急事態宣言も発令後の公演日だったから当然だし、リスクを冒してまで大好きな人たちに大阪に来て欲しくはなかったので。
そんな、私の「スマホを落としただけなのに」でした。
★私的観劇公演★
2020年3月24日14:00・18:30 紀伊国屋サザンシアターTAKASHIMAYA
最後がこんな気持ちのまま、私の観劇ライフも中断となってしまったので、今までブログが書けませんでした。
今も書きながら、どんどん悲しくなってきて、書き始めたことをちょっと後悔している…。(結局書き上げるのに約1ヶ月かかったし)
けど、ブログ始めてから、行った現場の感想はほぼ残してきたから、記録として置いておこうと思います。
「悪魔の毒毒モンスター」「スマホを落としただけなのに」
彼らに完走のチャンスが訪れますように。
完全に中止になってしまった数々の舞台、再度チャンスが訪れますように。
いつか、このブログを見返して、あーあの時辛かったよね~って笑える未来が来ますように。